2008年9月17日(水)「しんぶん赤旗」

厚労省局長 “療養病床は病院を名乗るな”

医師らから批判


 厚生労働省の宮島俊彦老健局長が、長期入院の高齢者が利用する療養病床をもつ医療機関について、「なぜ子どもや妊産婦を診てくれないのか」「病院という名前はやめてほしい」などと発言し、病院関係者から批判が上がっています。

 問題の発言は、七月末の局長就任の記者会見で飛び出したもの。雑誌『社会保険旬報』(八月十一日発行)で報じられました。

 同氏は「療養病床の医師は1万人いるが、なぜ子どもや妊産婦を診てくれないのか」「療養病床では病状が急変すると一般病床に送るという。それが病院なのか。病院という名前はやめてほしい」などと述べました。

 これは、二十四時間体制で、高齢者の急変、みとりなどに対応している医師の勤務実態をまったく無視した、事実と異なる発言です。療養病床を担当する医師らから「介護行政の責任ある立場の者が、こんな認識とはどういうことか」などの怒りの声が上がっています。

 宮島氏はまた、高齢者の患者に犠牲を強いる療養病床の大幅削減計画について、「『追い出す』というイメージで語られるのとは全く違う」と居直り、あくまで計画を推進する姿勢を示しました。



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