2008年9月22日(月)「しんぶん赤旗」
主張
10・5青年大集会
若者使い捨ての政治転換へ
「まともに生活できる仕事を」「人間らしく働きたい」―若者たちが、正規・非正規、職種の違いをこえ、仕事やくらしの願いやたたかいを持ち寄って十月五日、東京・明治公園で、「全国青年大集会2008」を開きます。
総選挙のなかの大集会
今年の青年大集会は、大企業が製造現場での派遣解消を表明しなければならなくなるなど、派遣労働をめぐる「潮目の変化」のなか、若者使い捨ての大もとにある政府・財界による雇用破壊の転換、派遣法抜本改正を強く日本社会に訴えるうえで、歴史的意義をもっています。若者が直面する「二重の苦しみ」―深刻な生活苦と、それを自分の責任と思わされている苦しみ―を打ち破る連帯を広げるうえでも重要です。
美容師ユニオンを結成し三百三十八人分の残業代四千八百万円を払わせた柳勝也さん、若者向けの服飾ブランド「BABY」で不当解雇とたたかっている神戸の岩上愛さんはじめ全国のとりくみの交流、職種・分野別交流会など多彩です。日本共産党を代表して志位和夫委員長があいさつします。
集会は、衆議院の解散前後となる可能性が濃厚です。若者の雇用問題は、若者自身にとっても、子や孫をもつ世代にとっても切実な問題であり、総選挙の大きな争点です。
集会にむけ、全国で「お仕事実態調査」などのアンケート・対話がとりくまれています。そこでは、「日給一万と聞いていたのに実際は五千円だった」「やっとの思いで正社員になったら突然解雇された」など、深刻な実態が語られるとともに、対話を通して「ひどい働き方を変えられるんだ」「政治を動かせるんですね」など、“語りあえば、響きあう”ことに特徴があります。千葉では、六割の若者が「『蟹工船』を知っている」とこたえています。
マスメディアも、歴史的な『蟹工船』ブームを若者の現実の苦しみ、政治の責任と結んでくりかえし報じています。
こうしたなか、集会が昨年の三千三百人を大きく上回って成功するなら、若者たちが切実に求める「人間らしい働き方のルールの確立」を総選挙の大争点に押し出し、自民・公明が進めてきた雇用破壊、異常な大企業中心政治を大もとから転換させるうえで、まさに歴史的な集会となるでしょう。
“現代の蟹工船”とも言われる若者の苦しみを打開するため、日本社会に何が求められているでしょうか。私たちは、若者の「二重の苦しみ」に心をよせ、その実態、願いや悩みをとっくりと聞き、打開のため、ともに力をあわせることこそ大切と考えています。そして、苦しみ、生きづらさの大もとに何があるのか、どうすれば打開できるのかを語りあうことです。
立党の精神を発揮して
10・5青年大集会が、生きる勇気、連帯することの大切さ、「社会は変わるし、変えられる」ことを多くの若者につかんでもらえる集会として成功するよう、職場でも、地域でも、身近な若者に声をかけ、語りあい、よびかけましょう。
使い捨て労働を広げた一九九九年の派遣法大改悪の決定的場面で、青年・国民の利益をまもる立場で唯一反対を貫いた日本共産党として、いま若い世代の深刻な実態の打開へ、力をつくすときです。
■関連キーワード