2008年9月25日(木)「しんぶん赤旗」
日雇い派遣を原則禁止
規制強化打ち出す
労政審部会建議
労働政策審議会の労働力需給制度部会は二十四日、日雇い派遣をはじめ三十日以内の短期派遣の原則禁止などを盛り込んだ労働者派遣法見直しの建議をまとめ、舛添要一厚生労働相に提出しました。
規制緩和が続いてきた同法は制定後初めて規制強化に転じるもので、「使い捨て労働をただし、貧困をなくせ」と求める世論と運動が動かしたものです。
厚労省はこれをもとに改正案をまとめますが、国会提出時期は流動的です。
建議は、日雇い派遣は「社会的に問題ある派遣形態」だとして、通訳など専門性の高い十八業務を除いて三十日以内の雇用契約を結ぶことを禁止するよう提言しました。
偽装請負など法違反が相次ぐことから、違法派遣を受け入れた企業に対し、労働者に雇用契約を申し込むよう行政が勧告できるようにします。リストラした労働者を派遣子会社に移籍させて元の職場に派遣するような実態に対処するとして、グループ企業への派遣を八割以下に制限することも盛り込みました。
しかし、派遣労働を増大させた「登録型派遣」(仕事のある時しか働けない)は何ら規制強化せず、派遣元に常用化の努力義務を課すにとどめました。
均等待遇の問題でも派遣先の賃金を考慮要素の一つにとどめ、違法派遣で派遣先に直接雇用義務を課す「みなし雇用」や、マージン(派遣元の手数料)の上限規制も認めませんでした。
一方で、常用化の促進として、期間の定めのない労働者について派遣先の特定行為を認め、直接雇用契約の申し込み義務を除外しました。
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