2008年10月2日(木)「しんぶん赤旗」

金融危機

経済モデルの転換を

南米4カ国首脳が会談


 【キト=島田峰隆】ブラジル北西部マナウスで九月三十日、同国とベネズエラ、ボリビア、エクアドルの四カ国首脳が会談しました。会談では、米国に端を発した世界金融危機をめぐり、米国をはじめとする先進資本主義国の責任を問う声が相次ぎました。

 ブラジルのルラ大統領は、南米諸国はかつて金融危機に苦しんだが、今では「米国が危機に見舞われ、欧州諸国は経済成長や銀行の倒産の問題を抱えている」と指摘。先進国の失策を批判しました。

 ベネズエラのチャベス大統領は、金融危機の根源には「米政府と市場原理主義の無責任さ」があると強調。「米国が危機から抜け出し、危機を世界に拡大しない制度を持つことを望む」と語りました。

 同大統領はまた、金融危機の影響を避けるためにも、南米諸国の独自の銀行である南米銀行を早期に始動させるべきだと指摘。同銀行が機能すれば「南米諸国の発展が保障され、有害な新自由主義システムから南米を決定的に解放できる」と語りました。

 ボリビアのモラレス大統領は、「金融危機の代償を払わされているのは米国や世界の貧しい人々だ。この事実は、経済モデルの変革を真剣に検討することを求めている。資本主義は人類にとって何の解決にもならない」と批判しました。

 同大統領は、ブッシュ米政権が公的資金を使って金融機関から不良資産を買い取ろうとしていることについて、「ボリビアでは貧しい人のために国有化をしているが、米国ではお金持ちの債務や危機のために国有化をしようとしている」と皮肉りました。

 会談では南米統合に向けたインフラ整備についても話し合いました。


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