2008年10月4日(土)「しんぶん赤旗」
改ざん100万件超か
年金標準報酬 社保庁が調査
社会保険庁は三日、厚生年金の算定基礎となる標準報酬月額の改ざん問題に関する抽出調査の内訳を明らかにしました。三十等級ある標準報酬月額が五等級以上、引き下げられた記録が七十五万件に上ったほか、月額が六カ月以上さかのぼって引き下げられている記録は五十三万三千件、月額が引き下げられた当日か翌日に厚生年金から脱退扱いとなっている記録は十五万六千件もありました。
単純に合計すると不審な記録はのべ百四十三万九千件になります。
同庁は先月、これら三つの抽出条件すべてに合致している六万九千件の記録についてのみ、改ざんが疑われると発表していました。しかし、疑いのある記録は百万件以上に拡大するおそれも出てきました。
同庁は三日の記者会見で、「適正な処理は相当数ある」として、一つの条件だけで改ざんがあるとはいえないと説明。ただ、六万九千件以外にも改ざんの可能性があることは否定しませんでした。
同庁は今後、三条件すべてに合致した六万九千件の精査を優先するとしています。六万九千件以上の記録については、来年から送付を開始する「ねんきん定期便」などで標準報酬月額を確認してもらうという対応にとどめています。申し出があれば調査するとしています。
しかし、改ざんの疑いのある記録が大幅に増える可能性が明らかになった以上、その解決に見合った体制をとることが急務です。
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