2008年10月4日(土)「しんぶん赤旗」
泡瀬干潟埋め立て共同使用
市の頭越し協定書署名
沖縄県知事
貴重な自然が残る沖縄市にある泡瀬干潟を、国と県が「東部海浜開発事業」で埋め立てる問題で、同干潟に隣接する米軍泡瀬通信施設の保安水域にかかる埋め立て第二区域の三十一・二ヘクタールについて、仲井真弘多知事は二日、沖縄市の東門美津子革新市長に代わり、米軍と沖縄防衛局との三者による共同使用協定書に署名しました。
東門市長は今年四月三十日に、同区域の埋め立て部分が保安水域にかかるため「新たな基地の提供につながる」として署名を拒否する旨を国と県に通知しています。市の頭越しに署名を強行する知事の対応に、市民の反発が起こることは必至です。
県は、同区域で海浜緑地帯や臨港道路の整備を計画しており、期間の更新を米軍側に求めていました。知事署名について漢那政弘県土木建築部長は、開会中の県議会九月定例会で九月二十九日、日本共産党の嘉陽宗儀県議の質問にたいし「泡瀬埋め立て事業を円滑に進めるためにも、知事が署名することが妥当であると判断した」と答弁していました。
同干潟は、シギ、チドリなどの渡り鳥が訪れ、世界でも沖縄本島でしか確認されていない固有種のクビレミドロや天然記念物のミナミコメツキガニなど希少種が数多く生息する南西諸島最大の湿地帯です。近年には埋め立て予定地にリュウキュウキッカサンゴなど世界的に貴重なサンゴ群が発見され、環境団体や市民が、保全を求める声を強めています。
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