2008年10月8日(水)「しんぶん赤旗」

過労死を労災認定

女性管理職 時間外100時間の月も

藤沢労基署


 保育所民営化の受け皿として事業を拡大する民間会社の女性管理職が過労死し、遺族がことし六月藤沢労働基準監督署(神奈川県藤沢市)に労災申請していた問題で、同監督署は女性の疾病を労災として認定しました。遺族らが七日、神奈川県庁で記者会見して明らかにしました。認定通知は九月二十四日。

 女性管理職は神奈川県鎌倉市の小林たづ子さん(58)。サクセスアカデミー社(藤沢市)の保育運営部長でした。広範囲の保育業務に加え、翌年の保育園五園の開設を控え人材の確保に追われていました。昨年十月三十日深夜、自宅で会社の書類を広げたままくも膜下出血で倒れ、死亡しました。

 亡くなる前六カ月間の時間外労働は月平均九十時間以上。同監督署は、(1)持ち帰り残業をふくめ長時間の時間外労働が長期に及んでいた(2)過去六カ月間に時間外労働が百時間を超える月もあった(3)パソコンに残されたファイルから、被災者でなければできない業務であることを確認した―として、認定しました。

 記者会見した夫の小林忍さん(62)は、「認定はされたが、妻はかえってこない。子どもの命を守り、発達を保障するのが保育事業だ。そこで働く人を大事にしないでは、保育はできないということを会社は肝に銘じるべきだ」とのべました。



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