2008年10月8日(水)「しんぶん赤旗」
「社会発展の法則」とは?
〈問い〉総選挙政策に「一段一段いまの問題を解決しながらすすむのが社会発展の法則」という言葉がありますが、「社会発展の法則」とはなんですか? そもそも多様な考え方をもつ人間でなりたつ社会に法則が成り立つのでしょうか?(千葉・一高校生)
〈答え〉「社会発展の法則」といっても、ニュートンの万有引力の法則のように、一つの方程式で表せるような「法則」が社会にあるわけではありません。しかし、どんな社会でも社会が変わってゆくのには、一定の法則、すすみ方があります。とくに、国民主権と普通選挙権にもとづく議会制民主主義が根づいた現在の社会では、主権者である国民多数の意思にもとづいて社会発展の道をすすんでゆくのは当然のルールです。その場合、国民のあいだには、多様な考え、価値観があるのですから、当然、実際に社会が直面している問題について、国民多数の合意が得られるやり方で一つずつ解決をはかってゆくことになります。
私たちが、「一段一段いまの問題を解決しながらすすむのが社会発展の法則」と言っているのは、そのような考えにもとづいているからです。
エンゲルスは『フォイエルバッハ論』(一八八八年)のなかで、社会・歴史の発展について、次のように述べています。
社会は、多様な考えをもつ人間でなりたっているからこそ、社会を大もとから動かす「本来の最終的な推進力」となりうるのは、「個々の人びとの動機」ではなく、「人間の大きな集団」=「諸階級全体を動かす動機」である。しかも瞬間的には大きく燃えあがってもすぐに消えてしまう「藁火(わらび)」のようなものではなく、「大きな歴史的変動をもたらす持続的な行動にみちびくような動機」だ、と(古典選書シリーズ、新日本出版社、83ページ)。
こんにちの日本では、大企業優先、アメリカいいなりという「二つの政治悪」と国民の暮らし、願いとの矛盾こそが、社会を動かす「最終的な推進力」となっています。だからこそ、私たちは、この「二つの政治悪」をただす民主的政権と民主的改革こそが、いま求められる社会発展の第一歩だと考えています。(学)
〔2008・10・8(水)〕