2008年10月9日(木)「しんぶん赤旗」
汚染穀物
流通実態 徹底調査を
農民連が農水省と交渉
農民連(農民運動全国連合会)は八日、東京・霞が関の農水省を訪ね、輸入汚染米の国内流通をさせてきた農水省の責任を指摘するとともに、すべての輸入商社の汚染米販売状況など徹底解明を要請しました。
強い発がん性のカビ毒アフラトキシンや日本で使われない殺虫農薬メタミドホスの違反残留が輸入米で見つかっています。農民連の代表は、「汚染米まで輸入したことが決定的な誤りだ」と訴えました。食品衛生法違反の汚染輸入米が本来は積み戻しか廃棄となるところ、農水省と輸入商社との間の契約書では積み戻しの措置がないことを指摘し、「コメの輸入が始まった一九九五年当初から積み戻しの対処方針がなかったのではないか」と追及しました。未公表の二〇〇五年以前のコメ輸入や、食品衛生法違反でも「非食用」として輸入を許可する麦・トウモロコシについての汚染発生状況を明らかにするように求めました。
農水省の担当者は、「結果的に汚染米の流通を許したことは反省する。今後は廃棄する」と対応方針を変更したことを説明。麦の汚染の流通実態は十月中をめどに確認することと答えました。
また農民連は、今回の事件を機に農水省内に設立された「米流通システム検討会」のなかで中小業者をふくめて広く国民の意見を聞く人選や体制を取るように要請しました。