2008年10月20日(月)「しんぶん赤旗」
ゆうPRESS
“ネット見て知る共産党”
青年の入党相次ぐ
「貧困なくす」と決意
祖母に育てられ貧しさの連続/派遣労働の不安な毎日/祖母と暮らし孝行したい
神奈川・藤沢市 福島 晃司さん(21)
いま、青年のなかで日本共産党への共感が広がり、入党してくる青年が増えています。神奈川県藤沢市に住む福島晃司さん(21)も、そんな1人です。(菅野尚夫)
「なぜ貧しさから抜け出せないのか」。福島さんは、数年前から社会の仕組みを勉強したいと考えてきました。
インターネットで日本共産党中央委員会のホームページを見て学習してきました。
九月に各党の政策などを読み比べて「どの政党よりも、説得力のある政策を持っている」と、「しんぶん赤旗」日刊紙と日曜版の見本紙を申し込みました。
やがて、地元の党湘南地区委員会の沼上常生委員長が福島さん宅を訪ねてきました。
沼上委員長から「多くの若者が共産党に注目している」こと、小林多喜二の小説『蟹工船』が若者に読まれていることなどを聞き、入党を勧められました。
祖母に育てられた福島さんは、貧しさの連続でした。生まれたとき両親はともに十代でした。福島さんは、すぐに祖父母に引き取られました。三歳のころ、祖父は亡くなりました。
「消費税が3%から5%になったときはおかずが一品減りました。インスタントラーメンばかりのときもありました」と話す福島さん。
施設に預けられたこともありました。中学三年生のときは、おじさんのところで面倒を見てもらうはずでしたが、養育を放棄されて「野宿生活をしたこともあった」といいます。
中学を卒業後、新聞配達店に住み込みで就職。その後、イベント会社での設営、建築関係の仕事などに。アスベストの解体作業では、防じんマスクも与えられずに作業をさせられたこともありました。
日研総業など数社の派遣会社に登録。派遣会社から松下電器(当時)、東芝、ソニー、マツダなど大企業に派遣されて働きました。
派遣先の仕事が無くなると寮を追い出されます。「住む家が無くなり、ホームレスやネットカフェ暮らしにもなった。一日パン一個で生きていた」
毎月の給料から、寮費六万五千円、光熱水費一万二千円を差し引かれました。このほか、寮から工場まで通うレンタル自転車代三千円、昼食弁当代一食三百五十円、さらに月二万円を超える社会保険料なども引かれ、手元に残る給料はわずか数万円。「モヤシいためばかり食べていた」こともありました。
福島さんが働いた派遣先は大企業の工場。それなのに福島さんの暮らしは、「いつネットカフェ暮らしになるか、ホームレスになるか不安の毎日」です。
「派遣や臨時のアルバイトでなく、正社員として働けるようになりたい。そしておばあちゃん孝行をしたい」
そう願っている福島さんは、入党を勧められ、強く思いました。
「日本共産党は、僕らを苦しめている大企業からお金をもらっていない。大企業にきっぱりものを言える。貧困が憲法に違反すると明快な主張をしています。これからは、党員として学びながら歩みたい。社会を変えたい。そしたらおばあちゃんと一緒に暮らせるようにもなれる」
福島さんは、入党を決意しました。
大企業の無法告発する党
交流・対話重ね一緒にたたかう
青年・学生委員会責任者
和田一男さん
日本共産党に多くの青年が入党してくる背景などについて、和田一男青年・学生委員会責任者に聞きました。
日本共産党の志位和夫委員長の派遣労働をめぐる国会質問は、大きな反響を呼んでいます。
「トヨタ、キヤノンなど企業名を出して告発できるのは共産党だけ」「“たこ部屋”、天引き、シフト替えなど労働者の現場の実態と声を聞いて追及してくれるのは共産党だけ」「今度の選挙は共産党」―。
働く権利守る
若い世代の中で日本共産党への期待がネットなどで話題になっています。
“綱領を語る大運動”がこういう若者の願いにかみあって広がっています。最近の入党者のうち2割は20代から30代の青年です。日本共産党が大企業の無法を臆(おく)することなく告発していることが若者に浸透してきたのですね。
志位委員長は、派遣法の抜本的改正問題を、大企業の無法を告発し、人間らしく働く権利を守るたたかいと一体で国会質問をして、追及しました。この視点が大切です。苦悩している青年に心を寄せて、困難に立ち向かっている姿に励まされ、その声を代弁しました。ともにたたかうことが共感を広げている背景になっています。
党内外に変化
もう一つ大切なことは、志位委員長から現場の支部党員まで草の根の活動が若者の声に耳を傾けて告発をして、違法を正す活動をしていることです。
この間、党は、「働く貧困層(ワーキングプア)が増えたのは若者の自己責任だ」という分断の攻撃を、若者との対話と交流で乗り越える運動に取り組んできました。
非正規の労働者が増えたのは、大企業の身勝手でつくられた社会問題だということを正面にすえて提起してきました。
この間の党内外の変化は、始まったばかりですが、ようやく若い人たちを結集する足掛かりができました。
働きやすく、暮らしやすい社会に変えていくために人生の先輩たちは、若者たちの困難に防波堤となって寄り添い、彼らとともに社会変革の歯車を一緒に前に動かしましょう。
青年のみなさん。志位委員長の質問を紹介する若者雇用リーフができました。ぜひ見て読んでください。委員長の質問はインターネットでも見られます。
世代を超えて一緒にたたかいましょう。
お悩みHunter
上司に仕事の相談したら孤立
Q 福祉施設で働いています。利用者の中に、けんか腰で怒鳴ってきたり、理不尽な苦情を言う人がいて困っています。上司に相談したら、「気にしすぎ。あなたに直接、被害があるわけじゃない」などと言われ、それ以来、ほかの職員も私を避けるようになってしまい、孤立しています。文句を言った私が悪かったのでしょうか。(32歳 男性)
話しやすい人見つけもう一度
A 福祉施設の職員さんは、丁寧で根気ある親切な対応を求められる職業ですね。仕事の悩みを上司に相談した、あなたの行動は間違っていないと思います。
利用者が、けんか腰で怒鳴ってきたとき、理不尽な苦情を言ったときの対応方法など、職員内での共通認識を持つことは必要です。
上司の「気にしすぎ。あなたに直接、被害があるわけじゃない」という回答は、不親切のような気がします。
ほかの職員もあなたを避けるようになってしまったのは、なぜでしょうか? 職員同士の連携が必要なこのような職場で、孤立するのは大変苦しいでしょう。
上司もしくは職員の中で、あなたが一番話しやすい人、あなたの気持ちを一番わかってくれそうな人はいませんか? いたらもう一度相談を持ちかけてみてください。
それで、もし孤立が深まるようでしたら、施設長に直接相談することをお勧めします。あなたが困っていることは、福祉施設のありかたそのものに関わることです。
一番に考えなくてはならないことは、利用者の方々にとって、よりよい施設であること。職員同士の意思疎通、連携は不可欠。孤立している場合ではありませんね。
あなたの行動で、よりよい施設に変えてゆきましょう。
舞台女優 有馬 理恵さん
「肝っ玉お母とその子供達」など多くの作品に出演。水上勉作「釈迦内柩唄」はライフワーク。日本平和委員会理事。