2008年10月21日(火)「しんぶん赤旗」

反貧困世直しイッキ! 大集会宣言


 東京・明治公園で十九日に開かれた「反貧困世直しイッキ! 大集会」で、二千人の参加者は集会宣言を採択しました。予想される総選挙について「私たちが求めているのは単なる政権交代ではない。日本社会に広がる貧困を直視し、貧困の削減目標を立て、それに向けて政策を総動員する政治こそ、私たちは求める」と宣言し、労働者派遣法の抜本的改正と社会保障費自然増分の毎年二千二百億円の削減計画の撤廃を求めました。同宣言を紹介します。


 私たちは、今日ここに「世直し」のために集まりました。

 どんな世を直すのか。

 それは、人が人らしく生きられない、人間がモノ扱いされる、命よりもお金や効率が優先される、貧困が広がる、そんな世を直すためです。

 どうやって直すのか。

 それは、一人一人が声を上げ、場所を作り、それによって仲間を増やし、守られる空間をつくり、一人じゃないことを確認し、そして相互に垣根を越えてつながっていくことで直します。

 私たちの社会は今、間違った方向に進んでいます。私たちはそれを直したい。それが、私たちの責任です。「自己責任」などは、決して私たちが取るべき責任ではない。私たちには私たちの、市民には市民の責任の取り方がある。

 いま、日本社会は大きな岐路に立っています。

 労働者をいじめ続けるのか、人間らしい労働を可能にしていくのか、

 社会保障を削り続けるのか、人々の命と暮らしを支える社会にするのか、

 お金持ちを優遇し続けるのか、経済的に苦しい人たちへの再分配を図るのか、

 生存権を壊すのか、守るのか。

 私たちの選択は決まっている。私たちは、人間らしい生活と労働の実現を求める。

 選挙が近い、と言われています。

 政権選択の選挙だと、言われています。

 しかし、私たちが求めているのは単なる政権交代ではない。日本社会に広がる貧困を直視し、貧困の削減目標を立て、それに向けて政策を総動員する政治こそ、私たちは求める。

 そのためにはまず、労働者派遣法の抜本的改正が必要である。また、社会保障費2200億円削減の撤廃が必要である。

 しかし、それだけでは足りない。雇用保険、職業訓練、年金、医療・介護、障害者支援、児童手当・児童扶養手当、教育費・住宅費・子ども支援、生活保護、あらゆる施策の充実が必要である。この国ではそれらが、貧しすぎた。政治は、政策の貧困という自己責任こそ、自覚すべきだ。道路を作るだけでは、人々の暮らしは豊かにはならない。

 そしてその上で、国内の貧困の削減目標を立てるべきだ。貧困を解消させる第一の責任は、政治にある。

 私たちが「もうガマンできない!」と声を上げてから一年半。私たちは着実に、仲間を増やしてきました。私たちの仲間はすでに全国各地に存在し、分野を越え、立場を越え、垣根を越えたつながりを作り始めている。

 小さな違いにこだわって、負け続けるのはもうたくさんだ。敷居を下げ、弱さを認め、弱さの自覚の上に、強い絆(きずな)を作る。それが、私たちの運動であり、私たちの世直しだ。

 声をあげよう。

 居場所を作ろう。

 仲間を増やそう。

 一人一人が、もう一歩を踏み出そう。

 そして、社会を変えよう。政治を変えよう。

 もう一度言う。

 私たちは、垣根を越えたつながりを作ろう。

 労働者派遣法を抜本的に改正させ、社会保障費2200億円削減を撤回させよう。

 貧困の削減目標を立てさせよう。

 そして、誰もが生きやすい社会を作ろう。

 それが、私たちの権利であり責任だ。

 以上、宣言する。



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