2008年10月22日(水)「しんぶん赤旗」
日本の米軍経費負担は26カ国合計を上回る?
〈問い〉日本共産党の総選挙政策に「日本の米軍経費負担は他のアメリカ同盟国26カ国の合計を上回る」とあることに驚きました。本当ですか? 26カ国とはどこを指しますか。(宮城・一読者)
〈答え〉米国防総省が2004年に公表した「共同防衛に対する同盟国の貢献度報告」によると、02年現在、米国の同盟国27カ国(別項)が米軍のために負担した金額は総計で約83億9700万ドルです。このうち日本が支出した金額が約44億1100万ドル(現在のレートで約4400億円)で、一国だけで全体の53%を占めます。日本に次いで多いドイツの15億6400万ドル、韓国の8億4300万ドルなどと比較しても突出しています。(別表)
米兵1人あたりの負担額は、韓国や欧州の同盟国はおおむね2万ドル程度ですが、在日米軍の場合は約10万6000ドル(約1100万円)です。他の主要同盟国の5倍以上です。
各国に駐留する米軍の活動経費の負担割合は5割程度ですが、日本は約75%を負担しています。「貢献度報告」は、「(駐留米軍の)費用負担は歴史的に、日本と韓国との2国間防衛関係において、とりわけ際立っている」と指摘しています。
こんなことになったのは、日本政府が、日米安保条約にも根拠がない米軍「思いやり」予算を次々に拡大したからです。08年度の米軍関係予算(防衛省分)は約4200億円ですが、このうち約2500億円が「思いやり」予算です。
1978年度に始まった米軍「思いやり」予算は、当初は基地従業員の給与の一部負担でしたが、やがて給与を全額負担し、米兵用の住宅や娯楽・厚生施設・学校、基地内の水光熱費、さらには戦闘機の格納庫や艦船用のさん橋など、戦闘関連施設にまで及びました。
07年度からは、米国の一部であるグアムでの海兵隊基地建設費などを含む米軍再編経費まで計上されています。
日本共産党は総選挙政策で、「思いやり」予算を廃止して国民のくらしを支える財源の確保を訴えています。(竹)
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〈日本以外の米同盟国26カ国〉ベルギー、カナダ、チェコ、デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、トルコ、英国、オーストラリア、韓国、バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦
〔2008・10・22(水)〕