2008年10月31日(金)「しんぶん赤旗」
都税事務所が偽装請負
東京労働局から是正指導
党都議団が告発
東京都の都税事務所が違法な「偽装請負」を行い、東京労働局から是正指導を受けたことが三十日、明らかになりました。これは日本共産党都議団が三月都議会で告発していたものです。
この問題は、都税事務所が今年二―四月、個人事業税の課税に必要な書類をコピーする作業を、人材派遣企業「東芝ビジネスアンドライフサービス」(TBLS、本社・川崎市)などに業務委託していたもの。TBLSは都税事務所二十五カ所のうち十七カ所で業務を請け負っていました。
都は労働者に直接業務の指示や退勤・休憩などの時間管理を行っており、請負企業の労働者に発注者が直接作業を指示することを禁止している職業安定法に違反していました。都税事務所に派遣されたTBLSの労働者は、実際には株式会社フジスタッフ(本社・東京都千代田区)など別の人材派遣会社の登録社員で、これも職業安定法に違反する「二重派遣」の状態でした。
東京労働局は九月二十九日付で、都が職業安定法四四条に違反すると認定し、都に是正指導しました。都は十月十四日付で、作業を請負契約から派遣契約に改めるよう調整すると回答しました。
日本共産党の古館和憲、清水ひで子、小竹ひろ子各都議は三十日、都庁で記者会見し、違法行為を是正し、全庁的に違法雇用の実態を調査して安定的な労働条件を確保するよう都に申し入れたと述べました。同日の都議会財政委員会では曽根はじめ都議がこの問題を取り上げ、都の姿勢をただしました。
偽装請負を告発した男性労働者(33)は「都税事務所の人から、コピーする書類や束ね方、コピー機の操作の仕方を指示されたり、『今日はコピー枚数が多いので何時まで残業できるか』と聞かれたりした。TBLSからは業務の指示は受けていない。都は直接雇用にしてほしい」と語りました。
この問題は、日本共産党の古館和憲都議が三月十四日の都議会予算特別委員会で明らかにしましたが、都側は「指摘(偽装請負)のような事実はない」と否定していました。
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