2008年11月1日(土)「しんぶん赤旗」
“危機口実に解雇するな”
仏雇用相 断固とした態度で臨む
【パリ=山田芳進】フランスのボキエ雇用担当閣外相は三十一日、金融危機を隠れみのにした解雇を許さない姿勢を明らかにしました。
ラジオ番組に出演したボキエ氏は「(金融)危機を口実に、活動を不正に国外移転したり、人員を解雇したりする企業がある」と指摘。企業の判断が本当に経済上不可欠なものかどうかを、県ごとに監視する枠組みをつくることを明らかにしました。
フランスでも金融危機と経済の先行き不安から企業の「雇用調整」が本格化、失業率がアップしています。これをうけサルコジ大統領は、企業に慎重な対応を求め、新たな雇用対策を発表したばかりです。
ボキエ氏は「企業が本当に困っているなら解雇を禁止はできないが、危機を口実に雇用を破壊するのは認められない。不当な経営者にたいしては断固とした態度で臨む」と述べました。
また、解雇回避に向けて努力する中小企業が金融支援を受けられるよう援助する用意があるとも述べました。
フランスでは、オートガロンヌ県で、黒字を出している自動車部品メーカーが三百人を解雇しようとしているとして労働総同盟(CGT)が告発し、ボキエ氏は県知事から事情を聴くことを約束しました。
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