2008年11月6日(木)「しんぶん赤旗」
衆院財務金融委
金融法案 自公が強行
共産党反対 中小企業支援を要求
自民、公明の与党は五日、衆院財務金融委員会で、金融機関に公的資金を投入することを可能にする新金融機能強化法案について、わずか四日間の審議にもかかわらず採決を強行し、賛成多数で可決しました。日本共産党、民主党、国民新党は反対しました。
また、保険会社の破綻(はたん)処理に公的資金を投入する保険業法改悪案の採決も行われました。これには、与党に加え、民主党、国民新党も賛成して可決。日本共産党は反対しました。
採決に先立って、日本共産党の佐々木憲昭議員が反対討論に立ち、金融機関の自己資本減少は投機的運用の拡大に大きな原因があると指摘。「金融安定化のための資金は金融業界全体の責任と負担で確保すべきであり、そのことによって自己規律を生み出し、業界内での相互監視機能が働いて最も少ないコストで対処できる」と主張しました。
また、法案には資本注入が銀行の貸し渋り対策となる保証がないと批判。中小企業向け貸し出しなどが未達成の場合、株主責任や経営責任を問うこれまでの仕組みからも後退していることをあげ、「今、求められているのは、貸し渋りや貸しはがしを進めている金融機関の姿勢をただし、中小企業を直接支援することだ」と強調しました。
保険業法改悪案については、保険会社の経営責任などをあいまいにしたまま、契約者保護を理由に税金投入の仕組みをつづける問題点をあげ、「業界と政府のモラルハザード(倫理欠如)を招く」と批判しました。