2008年11月7日(金)「しんぶん赤旗」
前空幕長暴言
憲法擁護義務に違反
井上議員追及 “厳正に処分を”
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日本共産党の井上哲士議員は六日の参院外交防衛委員会で、田母神俊雄空幕長(当時)が“日本は侵略国家ではなかった”などと暴論を主張した問題で、政府の任命責任を追及しました。
田母神氏は、ホテルチェーン・アパグループの懸賞論文で、「集団的自衛権も行使出来ない」「攻撃的兵器の保有も禁止されている」として、「自衛隊は雁字搦(がんじがら)め」だと、現憲法も非難しています。
井上氏は、歴史認識として日本の侵略戦争を正当化・賛美し、「日本と世界の戦後政治の出発点そのものを真っ向から否定するもの」であるとともに、「現役自衛隊幹部としての憲法尊重擁護義務(憲法九九条)に反するものだ」と批判しました。
その上で井上氏は、同氏が空幕長任命の前から隊内誌『鵬友』で、かつての日本の占領地統治について「慈愛に満ちたものであった」などの主張を繰り返していたと指摘。こうした人物を空幕長に任命した責任をただしました。
浜田靖一防衛相は当初、〇七年三月の任命の際に、かつての主張を判断材料にしていたのかについて「承知していない」と答弁。しかし、井上氏の重ねての追及に「確認させていただきたい」と約束しました。
井上氏は、こうした立場にたつ人物が、自衛隊の中枢にいたこと自体が異常だと強調。田母神氏自身が懲戒の手続きに応じるとしているのに、政府・防衛省が、懲戒もせず、定年退職で済ませていることに対し、「きちっと処分をするべきだ」と強く求めました。