2008年11月11日(火)「しんぶん赤旗」
政治の責任 極めて重大
田母神論文問題
市田書記局長が指摘
日本共産党の市田忠義書記局長は十日、国会内で記者会見し、“日本は侵略国家ではなかった”とする「論文」を書いた自衛隊の田母神俊雄前航空幕僚長が自身の更迭をめぐり、自らの考えは森喜朗氏ら二人の元首相に理解されていると述べたとの一部報道について、「政治の側が土壌をつくっていたという点で極めて重大だ」と強調しました。
報道が事実ならとしたうえで、市田氏は、「元首相」が田母神氏の考えに理解を示したのが論文問題の発覚前だとすれば、公務員である自衛隊幹部の意見として論文を発表することを是認、推奨したことになるし、問題発覚後だとしても、事実上、同氏に開き直りを促したことになると指摘。「田母神氏が政府の公式見解と異なる論文を発表したこと自体重大だが、一方で政治の責任がきわめて重い」と批判しました。
その上で市田氏は、田母神氏が空幕長に任命された二〇〇七年三月当時の安倍晋三内閣は、日本の戦争は侵略戦争ではなく“自存自衛”のたたかいであったという「靖国史観」の閣僚が多数を占めていたと指摘。安倍首相自身、「戦後レジームからの脱却」を主張するなど、田母神氏が自らの考えを公然と言える雰囲気や土壌をつくっていたという点で、きわめて重大だと重ねて指摘しました。
市田氏は、田母神氏を任命してきた防衛相と、それを承認した歴代政府の責任や事実関係などを、引き続き国会のなかで厳しく追及していく考えを表明しました。