2008年11月12日(水)「しんぶん赤旗」
自衛隊内で違憲教育
田母神氏が主導 防衛相も“重大だ”
井上議員追及
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日本共産党の井上哲士議員は十一日、参院外交防衛委員会で、参考人として出席した田母神俊雄前航空幕僚長と政府をただしました。井上氏は、田母神氏が“日本は侵略国家ではない”とする「論文」と同様の考えを職務権限を使い、自衛官に教え込んでいた実態を暴露し、政府の任命責任を厳しく追及しました。
井上氏は、田母神氏が航空幕僚長在任中、基地視察などさまざまな機会で「訓話」や「講話」を行い、「南京大虐殺は誰も見ていない」「決して日本が侵略のために中国に出て行ったのではない」などと語っていたことを明らかにしました。
「一個人の『言論の自由』の問題ではない。自衛隊の外で公にしたら更迭されるような内容を、職務権限を使って自衛官に教え込むのは重大だと思わないのか」と井上氏が迫ったのに対し、浜田靖一防衛相は、「大変重大なことだ」と認めざるを得ませんでした。
さらに井上氏は、田母神氏が統合幕僚学校長だった二〇〇四年に、自ら主導して幹部教育カリキュラムに「国家観・歴史観」を新設。「新しい歴史教科書をつくる会」の副会長を外部講師に招いていたこと、その講師が、「現憲法体制は論理的に廃絶しなくてはならない虚偽の体制」と主張していた事実をつきつけました。
浜田防衛相は、「カリキュラムと中身について把握していない。確認したい」とのべました。
井上氏は、田母神氏が行った「訓話・講話」の内容や自衛隊幹部教育の全容を提出するよう要求。「憲法にも政府見解にも反する幹部教育を進めることを放置してきた政府の責任は重い。田母神氏が自らの考えを公然と言える雰囲気や土壌をつくってきた点でも歴代政権の責任は重大だ」と批判しました。
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