2008年11月13日(木)「しんぶん赤旗」
志位委員長、政府に緊急申し入れ
大失業の危険から
雇用守る責任果たせ
官房長官 「経団連に要請したい」
日本共産党の志位和夫委員長は十二日、大企業による派遣労働者や期間労働者らの大量解雇、「雇い止め」の動きが広がっている問題で、国会内で河村建夫官房長官と会談し、麻生内閣に対して雇用と暮らしを守る緊急対策をとるよう申し入れました。十一日発表した日本共産党の「緊急経済提言」に基づくものです。志位氏の提起に、河村長官は「深刻な認識は共有している」とのべ「雇用と賃金(確保)について日本経団連などに要請したい」と答えました。申し入れには小池晃政策委員長、こくた恵二国対委員長が同席しました。
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志位氏は会談のなかで、トヨタをはじめとする大企業による大量の解雇や「雇い止め」について、「減益といってもなお多くの利益をあげ、巨額の内部留保も持っており、雇用に対する社会的責任を放棄するもので許されない」とのべました。
さらに放置するならば、多くの労働者が雇用だけでなく住まいも失う事態になりかねず、日本の経済、景気にとっても重大かつ深刻な事態となると指摘。雇用と生活を守るための緊急対策として、(1)大量解雇、「雇い止め」を中止し、雇用を維持するための最大限の努力をするよう、経済団体、主要企業に対する指導と監督を強化すること(2)雇用保険の六兆円の積立金を活用し、失業した労働者の生活と再就職への支援を抜本的に強化すること―を求めました。
河村官房長官は「失業の問題を重視しなければいけないと思う。企業側はリストラだとやってくる。賃金も抑えられてきた」として「雇用と賃金(確保)について日本経団連や中小企業団体などに要請を行いたい」とのべました。雇用保険の積立金の活用については「中小企業への支援策も含めて検討していきたい」とのべました。
会談後の記者会見で志位氏は「この十一月、十二月に、解雇や『雇い止め』が激増することが強く懸念される。雇用を守るためのすみやかな行動を政府がとることを、引き続き強く求めていきたい」と表明しました。
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