2008年11月14日(金)「しんぶん赤旗」
佐藤正久自民議員に献金
自衛隊 現職幹部が支える構図
田母神氏
「日本は侵略国家ではない」などとする懸賞論文を投稿し更迭された田母神俊雄・前航空幕僚長ら陸海空の幹部自衛官が昨年、元一等陸佐で、イラク派兵の先遣隊長を務めた佐藤正久参院議員(自民党)の資金管理団体に献金をしていたことがわかりました。元幹部自衛官の議員を、現職幹部がこぞって支えている構図です。
佐藤議員は二〇〇七年七月に初当選。資金管理団体「さとう正久を支える会」の政治資金収支報告書(二〇〇七年分)によると、田母神氏が同年六月七日に十万円を、折木良一・陸上幕僚長が翌八日に八万円を献金。職業は「公務員」となっています。一等海佐や一等陸佐ら幹部自衛官五人とみられる名前もあります。
自衛隊法は自衛隊員の政治的行為を禁止しています。同法施行令は政治的行為を「寄付金その他の利益を提供し…隊員の地位に関して何らかの利益を得、もしくは得ようと企てること」「政治的目的のために公私の影響力を利用すること」などと定義しています。
防衛省は自衛官の献金について「政治的行為ではなく個人的な行為。影響力の行使につながることはありえず、職務の政治的中立性を損なうことはない」と説明。佐藤議員の事務所も「法的に問題はない」としています。
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