2008年11月14日(金)「しんぶん赤旗」
看護師過労死判決
厚労相「上告しない」
小池議員に答弁
両親の訴えが動かす
国立循環器病センターの看護師、村上優子さんの過労死を公務災害と認めた大阪高裁判決に対して、舛添要一厚労相は十三日の参院厚生労働委員会で、「上告しない」と表明しました。日本共産党の小池晃参院議員の質問に答えました。
傍聴していた母親の加代子さん(59)は、「聞いたとたん涙がこみあげてきました。医療の改善や職員のかたが健康で働けることにつながれば、娘の死も無駄ではなかったと思います」と語りました。
村上さんは二〇〇一年、勤務後にくも膜下出血で倒れ、二十五歳で亡くなりました。
両親の村上雅行さんと加代子さんは、過労死一一〇番に相談。病院の記録で残業は月十六時間でしたが、メールなどから月八十時間も残業をしていたことが判明し、たたかいに立ち上がりました。
公務災害を申請しましたが、厚労省は、公務外と認定。しかし、大阪地裁に続いて大阪高裁も十月三十日、公務災害と認めました。
大阪医労連の組合員らが支援する会をつくり活動。日本共産党は小池議員が〇二年に国会質問し、控訴審後には小池氏と山下芳生参院議員が上告しないよう求めてきました。
質問で小池議員は、「二度とこんなことが起こらないよう対策をとるべきだ」と要求。舛添厚労相は「実態調査を行い、過酷な医療現場の改善に取り組みたい」と答えました。
質問後、小池、山下両議員は加代子さんに「訴えが実りましたね」と言葉をかけ、ねぎらいました。