2008年11月15日(土)「しんぶん赤旗」
残業時間は青天井
労基法改定案 高橋議員が批判
衆院厚労委
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日本共産党の高橋ちづ子議員は十四日の衆院厚生労働委員会で、残業割増賃金引き上げの労働基準法改定案について、残業規制のしり抜けとなる問題点をあげて、長時間労働をなくす力にならないとただしました。
改定案は、過労死ラインの八十時間超について割増賃金を現行25%から50%に改定。労使協定を結べば、八十時間超分を有給休暇に振り替えできます。残業四時間が休暇一時間に相当し、八十時間プラス三十二時間の残業で一日休める計算です。
高橋氏は、労使協定を結べば残業時間は青天井であり、「上限を法定化し時間を規制すべきだ」と指摘。休暇振り替えについて「百二十時間残業して一日休める程度だ。その前に死んでしまう。年休取得率が五割に満たないのに何の意味もない」とのべました。
金子順一労基局長は「労使で話しあっていただく」としか答えられません。高橋氏は、「残業をさせても、事業所がひまなときに休暇を与えればよく、企業の都合のいいようになる」と批判しました。
高橋氏はまた、派遣労働者の雇い止めについて、「一九九九年に原則自由化し、雇用の調整弁にできるよう規制緩和したことに根本問題がある」と指摘。「(リストラは)飛躍のための縮み」という堺屋太一経企庁長官(当時)の発言(九九年)を紹介し、「企業はばく大な利益をためこんでおり体力はある。予防的に、この際、雇用を切っておくといったことはあってはならない」とただしました。
舛添要一厚労相は、「調整弁として使われてきた面はある」と認め、「予防的なことのないよう雇用の確保に全力あげていかなければならない」とのべました。