2008年11月16日(日)「しんぶん赤旗」
“もうけのため 軽んじるな命”
薬害根絶へフォーラム
第十回薬害根絶フォーラムが十五日、東京都千代田区の星陵会館で行われました。全国薬害被害者団体連絡協議会(薬被連)が主催。二百人が参加しました。
|
薬害エイズやヤコブ病、スモン、肝炎などの薬害被害者が実態を語りました。十月にサリドマイドが再承認されたことについて、財団法人いしずえ(サリドマイド福祉センター)の佐藤嗣道さんと増山ゆかりさんが、薬害サリドマイド事件の歴史や被害者の思いを報告。増山さんは「母は、死ぬ間際まで『こんな体に産んでごめんね』といっていました。この苦しみを二度と繰り返したくない」と訴えました。
佐藤さんは、サリドマイドの安全管理に厳しいルールが必要だと指摘し、「運用の逸脱を起こさないよう注視したい」と述べました。
討論では、パネリストの花井十伍薬被連代表が「薬は承認されたあとも、国が使い方を規制しなければ、新薬による薬害は起こり続ける」と話しました。
陣痛促進剤による被害を考える会の勝村久司さんは「もうけのために命を軽視することは許されない」と発言。薬害肝炎全国原告団の泉祐子さんは、「厚労省は、個人輸入などの未承認新薬の実態をつかんでいない。体制づくりが必要だ」と指摘しました。
薬のインターネット販売が議論になり、「リスクや副作用の相談ができない」、「ネット企業は『利便性』を強調するが、もうけしか考えていない」と批判の声があがりました。
会場からは、「医学部や薬学部などの教育のなかで、薬害被害者の話を直接聞く機会をつくるべきだ」などの意見が出されました。
■関連キーワード