2008年11月20日(木)「しんぶん赤旗」

無保険急増の危険

後期医療廃止を迫る

高橋議員


 後期高齢者医療制度廃止法案を審議した衆院厚生労働委員会で、日本共産党の高橋ちづ子議員は、同制度のもとで無保険の高齢者が急増する危険などを示し、制度の廃止を政府に迫りました。

 高橋氏は、後期高齢者のうち、年金収入が無いか低すぎるために保険料を天引きされない「普通徴収者」の滞納状況について、青森県保険医協会が調べたデータを紹介しました。これによると今年四月の時点で、七十五歳以上の保険料滞納は県全体で七千九百五十世帯あり、全滞納世帯の14・6%を占めています。

 後期高齢者医療制度の導入に伴い、これまでは保険証の取り上げは許されなかった高齢者からも、一年以上滞納すれば保険証を取り上げ、一度は病院窓口で医療費全額を支払う資格証明書を発行する仕組みになりました。高橋氏は「高齢者からの保険証取り上げはすべきでない」と強く主張。舛添要一厚生労働相は「本当に困った人に温かい手を差し伸べるにはどうするか考えたい」と答えましたが、取り上げの仕組みそのものをなくす姿勢は示しませんでした。

 高橋氏はまた、昨年同時期に比べ、今年四月から六月にかけて七十五歳以上の患者の受診抑制が起きていることを示す全日本民医連の調査を引用(グラフ)。「日本ではこれまで皆保険制度が高齢者の健康を支えてきたが、受診抑制によって高齢者の重症化が進みかねない」として「制度はいったん元に戻すべきだ」と主張しました。

 舛添厚労相は「議員の指摘も当を得ているところもある」と述べる一方、「無駄の排除は必要。病院のサロン化は深刻な問題だ」などと事実を見ない答弁に終始しました。

グラフ


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