2008年11月22日(土)「しんぶん赤旗」

国立高度専門医療センター

医療の質、後退招く

高橋議員反対 独法化法案を可決


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(写真)質問する高橋ちづ子議員=21日、衆院厚生労働委

 国立の高度専門医療センターを独立行政法人化するための高度専門医療研究独法化法案が二十一日、衆院本会議で自民、公明、民主各党の賛成で可決されました。日本共産党、社民党、国民新党は反対しました。

 日本共産党の高橋ちづ子議員は同日の厚生労働委員会で反対討論に立ち、独法化は、(1)財政の効率化、公務員削減が狙い(2)医療の質を低下させ、果たすべき役割の後退を招く(3)賃金職員(非正規職員)の処遇がなにも保障されていない―ことを指摘しました。

 高橋氏は討論に先立つ質問で、麻生太郎首相、二階俊博経済産業相らがこの間、医療危機の原因が医師のモラルにあるかのように発言していることについて舛添要一厚労相の認識をただしました。舛添氏は「適切でない発言だ。両氏とも謝罪し、発言を撤回している。その反省に立って政府一丸となって、医療危機に取り組みたい」と答えました。

 高橋氏は医師不足の原因となった医学部定員削減方針を政府が転換し、増員を決めたことを評価した上で、指導教官など受け皿の整備を求めました。「大学病院は地域医療の担い手であると同時に医師を養成し、かつ高度な医療研究も求められる。しかし、人も金もない」という地方の大学長の声を紹介。国立大学を独法化し、年々交付金を削ってきたが、限界ではないかと質問しました。

 戸谷一夫文部科学省官房審議官は、四年間で六百二億円の削減であり、個別大学から困難な状況は聞いているとして「安定的、継続的な教育研究の実施に必要な運営費交付金の確保については、今後とも努力したい」と答弁しました。

 高橋氏は、国立高度専門医療センターが独法化された場合、「効率化」「採算」の名のもとに研究と医療が切り分けられることはないか、と指摘。厚労省の外口崇医政局長は、「病院と研究は一体のもの」として、確保していくと答えました。



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