2008年11月22日(土)「しんぶん赤旗」
過労死 二度とつくるな
遺族らが「つどい」 労災認定のたたかい交流
「遺族にとって無念の思いは去らない。でも娘の死はむだではなかった」―「勤労感謝の日を前に過労死を考えるつどい」(実行委員会主催)が二十一日夜、東京都内で開かれ、過労死で家族を亡くした遺族が、労災認定前進のたたかいなどを振り返りながら、過労死を二度とつくらないでと訴えました。
「二十五歳の娘が私たちの目の前からいなくなった」と国立循環器病センター看護師の村上優子さんを過労死で亡くした母親の加代子さん。看護師の勤務の過重性を認めさせる判決を確定させたと目頭を押さえました。
「七年かかってようやく裁判で労働災害と認めさせた」とセイコーエプソンに勤めていた犬飼敏彦さん=当時(41)=の妻、洋子さん。十カ月に十回、百八十三日の海外出張を繰り返す夫の労災を認めない基準のおかしさを告発。トヨタ自動車で働いていた夫の内野健一さん=当時(30)=の過労死を業務上と裁判で認めさせた博子さん。「これが世界一といわれる企業の働き方ですか」と問いかけました。
過労死弁護団全国連絡会議の玉木一成事務局長は、脳・心臓疾患の労災認定件数が過去最高となっていると指摘。認定基準の改正とともに、「過労死等防止基本法」が必要だとのべました。ジャーナリストの東海林智さんが自らの取材体験を講演しました。
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