2008年11月24日(月)「しんぶん赤旗」
米、人減らし加速
7―9月 01年来最悪
80万人超える 9カ月
【ワシントン=西村央】米国の大手金融機関シティグループや、自動車のビッグスリー(大手三社)の経営悪化のなかで、大幅な従業員の削減計画が出されるなど、雇用環境がいっそう悪化しています。労働省の統計では今年第三・四半期の人員削減が二〇〇一年以来で最悪となり、今後さらに深刻化する傾向にあります。
今月十三日に発表された統計によると、今年七月から九月までの第三・四半期の人員削減では、千三百三十件、二十一万八千百五十八人が離職を迫られました。
低信用層向け高金利型(サブプライム)住宅ローンの破たん後、低迷が続いている建設関係での人員削減が二万一千人にのぼり、物流を担う輸送・倉庫業でも一万八千人と多く、産業活動の低迷振りをうかがわせています。金融・保険関係も一万三千人を超えています。このほか、小売り、ホテル業など個人消費に関連する分野でも、消費低迷のなか人員削減が続いています。
これらのなかでは、全体の件数の約半数が一社あたり五十人から九十九人の規模で人員削減を計画していますが、一気に千人以上に離職を迫っている事例も二十件あります。
この結果、今年になってからの米国での人員削減は八十万二千人に達しています。
米大手企業での人減らしの動きはとまらず、世界各地に展開しているシティグループは全体で五万人の削減を打ち出しています。
自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)、フォード、クライスラーのビッグスリーは、政府からの支援と大幅合理化が一体とされており、自動車関係での工場閉鎖や人減らしで、雇用不安がさらに広がることが懸念されています。
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