2008年11月29日(土)「しんぶん赤旗」
非正規解雇3万人
違法横行 派遣の中途解約7割
厚労省調査
「派遣切り」など非正規雇用の解雇・雇い止めで失業した労働者が全国で三万人を超えることが分かりました。
厚生労働省が企業からの聞き取り調査をまとめ、二十八日に発表しました。十月から来年三月までの解雇などの人数で、実施予定が含まれています。
同調査によると、中途での契約解除による解雇や、期間満了後の契約更新がされなかった非正規労働者は三万六十七人にのぼります。
雇用形態別では、派遣労働者が一万九千七百七十五人です。このうち、派遣労働の中途解除が、一万三千七百八十四人と七割を占めており、違法解雇が横行している実態を示しています。
このほか、期間工などの契約従業員が五千七百八十七人、請負が三千百九十一人を占めます。
産業別では製造業で二万八千二百四十五人と93・9%を占め、愛知県が最多の四千百四人です。トヨタ自動車をはじめとした輸出大企業のもとで解雇が横行しています。大企業の社会的責任が問われます。
調査全体では、東京都での派遣雇い止めが三人、大阪府でゼロとなっているなど、明らかに調査が不十分です。トヨタ自動車は十月から来年三月までに三千人の期間工を減らすとしていますが、同調査では愛知県などトヨタの製造拠点での期間工削減数を合計しても約千五百人にしかなりません。実際には、さらに大きな規模での解雇が予想されます。
日本共産党は、政府に実態調査を求めるとともに、「労働者の職業を安定させるための事業主の努力を助長するよう努める」(雇用対策法第一条)ことは国の責任だと主張。財界や個別企業に派遣社員や期間社員などの解雇をやめるよう強力な行政指導や監督を行うことを政府に求めてきました。
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