2008年11月30日(日)「しんぶん赤旗」
新テロ・金融法案
延長したが審議は未定
共産党 「国民生活守る論議を」
民主、採決容認も
政府・与党は、新テロ特措法延長案と新金融機能強化法案の成立をはかるため、十一月三十日までだった臨時国会の会期を十二月二十五日まで延長しました。しかし、その思惑通りに審議・採決の日程が決まっているわけではありません。
新テロ特措法延長案は、海上自衛隊のインド洋派兵を一年間延長することを狙うもの。審議している参院外交防衛委員会では、引き続き質疑を求める野党側と採決抜きの質疑には応じられないとする与党側で折り合わず、次回の日程は決まっていません。
しかし、民主党の輿石東参院議員会長は、同法案について「時機を見て、採決する場合も出てくる」と述べ、衆院での再可決が可能となる十二月二十日より前に参院で議決する可能性に言及しています。
金融機関に公的資金を投入するための新金融機能強化法案は、一日に参院財政金融委員会の理事懇談会で次回の日程を協議する予定です。
民主党の小沢一郎代表は二十八日の党首討論で、参院での「修正協議」を求め、麻生太郎首相も応じる考えを表明。輿石氏は、十二月二十五日までの採決について応じる姿勢を示しています。
民主党案は、公的資金の投入を前提にする点では、政府案と変わりありません。
日本共産党は、新テロ特措法延長案も新金融機能強化法案も廃案を要求。三万人を超える非正規労働者の解雇、激増する中小企業の倒産など、年末を前に国民の暮らしが危機に陥れられているもとで、大企業の大量首切りをやめさせるなど、国民の暮らしを守る緊急の手だてをどうするのか、真に実効性のある景気対策とは何かについて、徹底した審議こそ必要だと主張しています。
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