2008年12月3日(水)「しんぶん赤旗」
論戦ハイライト
非正規切り 違法明白
小池議員 「厳正な対応を」
厚労相「法の精神に基づいて指導する」
日本共産党の小池晃議員が行った二日の参院厚生労働委員会の追及。大企業による非正規労働者の解雇・雇い止めが、労働契約法の趣旨から見ても違法であることが鮮明になりました。
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厚労省の調査では、十月から来年三月までに非正規雇用の解雇・雇い止めが三万人を超えることが明らかになっています。しかし、同調査では、東京都での派遣雇い止めは三人、大阪府ではゼロとなっています。
小池 (厚労省調査は)明らかに不十分。実際にはもっと大量ではないか。
太田俊明職業安定局長 全数調査ではないので、実態はこれより多いことはありうる。
一七条の趣旨
小池氏の追及に厚労省は、引き続き状況把握に努めることを約束しました。
そのうえで、小池氏が政府の認識をただしたのが、「やむを得ない事由」がある場合を除き、有期契約労働者の中途解雇を禁ずる労働契約法一七条の趣旨です。
金子順一労働基準局長は「有期の契約期間は(労使)両方の当事者が、その前提で合意したものなので無期契約(正社員)の解雇権乱用法理よりも狭くなる」と答弁しました。
小池 正社員の場合よりも、厳しい条件を課しているのだから、要件を満たしていなければ(契約期間の中途解除は)法違反になるのか。
金子局長 委員ご指摘の(法違反という)こともありうる。
金子局長の答弁を受け小池氏は、大量の解雇・雇い止めについて厳正な指導をするよう要求。舛添要一厚労相は「法の精神に基づいて指導する」と答えました。
さらに、小池氏は、今年末で千四百人の期間・派遣社員の全員解雇を打ち出した、いすゞ自動車の解雇計画を具体的にあげ、その撤回を求めました。
労働者の叫び
小池氏は、いすゞで五年以上働いている労働者から届いたメールを紹介。わずか数行の文字が書かれた「解雇予告通知書」を示して、「最後は紙切れ一枚。死人が出ないとわかってくれないのか」という労働者の悲痛な叫びを読みあげました。
小池 千人を超える雇用契約を破り捨てて、年の暮れに放り出す。こんなひどいことが許されると思うか。
舛添厚労相 個別の企業の事情についてはコメントできないが、法の精神に基づいて対応する。
「個別の企業の事情」をたてに、明確な答弁を避ける舛添厚労相。
小池氏は日本共産党の申し入れに対し、いすゞ側は、会社の都合でいつでも解雇できることを定めた「臨時従業員規則」をたてに解雇通告を出し、「役所からは何も言われていない」と説明していることを明らかにして、さらに迫りました。
小池 こんなことをいわせたままでいいのか。
舛添厚労相 どういう状況か調査し、必要な改善策があればとる。
ついに「調査」を約束した厚労相に小池氏は、いすゞ会長が十一月の社内報で「再建以降の五年間、増収増益で毎年過去最高実績を更新」と誇っていることを指摘。いすゞの来年三月期の経常利益予想は六百億円で、今期十七億円も配当を増やしていることもあげ、「労働者の首を切りながら、株主への配当は増やす。これで『やむを得ない事由』があるなどといえるわけがない」と力を込めました。
「経済団体全体が法の精神に基づいて対応するよう要請する」と繰り返す舛添厚労相に対し、小池氏は大量解雇を中止し、大企業に社会的責任を果たさせるよう重ねて求め、「再就職のあっせんと再就職までの住居、生活の保障をさせるべきだ」と強調しました。
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