2008年12月5日(金)「しんぶん赤旗」
国保証
取り上げやめ 制度直せ
小池氏要求 厚労相「検討」
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「これは生きる権利の侵害だ」―。日本共産党の小池晃議員は四日の参院厚生労働委員会で、国民健康保険証取り上げの実態を厳しく告発し、制度の改善を政府に迫りました。
小池氏は、三万人を超える子どもの保険証取り上げが判明した厚労省調査をもとに追及。舛添要一厚労相が「(取り上げは)一律にやるのでなく、きめ細かい配慮が必要」と述べたのに対し、「実態はそうなっていない」として、厚労省調査でも、滞納者との接触努力をせず文書を送っただけで保険証を取り上げている自治体があることを指摘しました。
水田邦雄保険局長は「市町村によっては一律、機械的運用がされている懸念もある」と認め、「措置を徹底し、フォローアップしていく」と答えました。
小池氏はさらに、社会保障推進千葉県協議会の調査では、資格証発行世帯のうち「所得なし、または二十万円未満の所得未申告世帯」が49・8%もあることを指摘。機械的取り上げが横行する背景には「一年以上の滞納者への資格証発行」を義務付けた一九九七年の国保法改悪があるとして、「子どももおとなも義務化をやめ、訪問や弁解聴取など、本人の権利を最大限保障する制度に変えるべきだ」と迫ると、舛添厚労相は「よく検討する」と答えました。
小池氏はまた、後期高齢者医療制度の実施による滞納世帯の増加も告発。「高齢者から保険証を奪えば、死に直結する」と述べ、高齢者に対する保険証取り上げ拡大をやめるよう主張しました。
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