2008年12月6日(土)「しんぶん赤旗」
総選挙、北九州市議選で勝利を
演説会で志位委員長訴え
|
次期総選挙、年明け1月23日告示の北九州市議選での“二つの勝利”を目指し、日本共産党の志位和夫委員長を迎えた演説会が5日、同市の九州厚生年金会館で開かれました。
みぞれまじりの雨が降り、身を切るような寒風が吹きすさぶなか、2階席まで埋まる聴衆がつめかけました。志位氏の話に最後まで拍手は途切れず、会場には、熱気がこもりました。
志位氏は自公政権を解散に追い込み、総選挙で躍進を果たす決意を述べるとともに、定数三減の北九州市議選で全員当選を果たす意義を最初に強調しました。定数減のなか現有十議席を確保すれば議席占有率は16・4%に前進し、政令市では京都、大阪に次ぐ大きな市議団になると指摘。市政にとっても総選挙にとっても重要だと必勝を呼びかけました。
志位氏は、国政の焦点について、経済と暮らしを中心に話をすすめました。
景気悪化を口実に大企業が非正規労働者の大量「首切り」を進めていることを批判。いまの雇用大破壊は労働法制の規制緩和をすすめてきた政治が引き起こした「政治災害」でもあると述べました。政治の責任で大企業に対する実効ある指導・監督を行い、派遣法の抜本改正で「正社員が当たり前の社会にすべきだ」と訴えると大きな拍手が起きました。
七十五歳以上のお年寄りを差別する後期高齢者医療制度について、保険料を滞納している人が全国で数十万人になるが、新制度では一年以上の滞納で保険証を取り上げられると告発。「現実に『うば捨て』が始まります。一刻も早く制度をやめさせよう」と力を込め、大きな拍手を受けました。
志位氏は、雇用の安定、社会保障の安心などで家計を応援し、内需を活発にしてこそ経済を立て直す道が開かれると強調。雇用でも後期高齢者の問題でも、日本共産党の主張がはじめは少数でも、いまでは国民多数の声となり、国政を動かしている様子を述べ、北九州市政でもそうだと話を進めました。
北九州市では二年前の市長選で末吉市政を支えていた「オール与党」が二つに割れ、民主党などが押した北橋市政に代わりました。しかし、選挙が終わると、もとの「オール与党」に逆戻り。日本共産党以外の自民、民主、公明、社民が市長提案の三百八十八議案のすべてに賛成していると告発しました。
志位氏は、住民の立場で行政をチェックする役割を果たしてきたのは日本共産党市議団だけだと指摘。それだけでなく市民と手を携えて市政を動かしてきた党市議団の三つの値打ちを解明しました。
第一は、国の住民いじめの政治から市民の暮らしを守る防波堤になってきたことです。
志位氏は、後期高齢者医療制度について、昨年末に党市議団が実施凍結を求める意見書を提案したときは「オール与党」が否決したものの、その後の世論と論戦で、今年九月の「廃止を含めたより抜本的な見直しを求める意見書」は賛成多数で可決されたと紹介。北九州市政の無慈悲さが突出している国保証の取り上げでも、国政を動かす中で党市議団の申し入れを受けた市が無保険の子どもがいる世帯に短期保険証を発行すると表明したと話しました。
最後のよりどころとなる生活保護の問題では、申請の相談にきた市民を追い返す「水際作戦」など「闇の北九州方式」の無法を告発。餓死者まで出しても「問題がなかった」(市長)とした市当局の対応を、日本共産党が市民と追及し、「申請段階での対応」の過ちを認めさせ、生活保護抑制の数値目標を撤回させたと話しました。
第二は、要求実現のために市民との共同で市政を動かしてきたことです。
志位氏は党市議団が、教室暖房の実施を粘り強く提案し、草の根の運動と共同して学校の温度調査にも取り組むなかで、二〇〇〇年には小学校で、この十二月からは中学校でも実施されたことを紹介しました。
第三は、巨大開発の無駄遣いに切り込んでいることです。
志位氏は巨大開発の「無駄づかい病」は市長が代わっても治るどころか悪化していると指摘。現市政が、前市政から引き継いだ大型開発のツケ回しを拡大しているだけではなく、空港アクセス鉄道(六百億―九百六十億円)や、第二関門橋(総事業費千六百億円)など採算のまったくない新たな巨大開発に乗り出していることを批判しました。
志位氏は、「オール与党」がはっぱをかけてきたからだと批判し、無駄遣いをなくし、福祉と暮らしに回せの声は、共産党に託してほしいと訴えました。
赤嶺政賢衆院議員、田村貴昭の両比例予定候補が決意を表明。赤嶺議員は「何としても二議席へ躍進しよう」と力を込めました。北九州市議予定候補十氏が全員登壇。石田康高市議団長は、「史上最高の峰を目指すたたかいの先頭にたつ」と決意を表明しました。