2008年12月7日(日)「しんぶん赤旗」
スペイン日産 解雇撤回
労組の2カ月抗議実る
政府が仲介
労働者1680人の解雇が問題となっていたスペインの日産バルセロナ工場で5日、労使双方が解雇計画の撤回、給与の一定額支給を保障した一時帰休措置で合意に達しました。
同国の有力紙パイス電子版によると、日産側は(1)千六百八十人の解雇を取りやめ(2)三千五百人が三月末まで交代で一時帰休(最長七十五日)(3)影響を受けた労働者に最大で給与の九割にあたる手当を支給(4)今後の生産計画について労組との交渉継続―などを提示しました。
労組側は、解雇計画に強く反発し、約二カ月間にわたって抗議を続けてきましたが、提案を受け入れ、抗議行動の中止を発表しました。交渉ではスペイン労働省が仲介役を務め、五日の労使会談も同省内でアルバレス労働関係局長が立ち会って行われました。
労組側代表のマル・セルナ氏は、会談の後、「合意の最も重要な点は、双方が日産の抱える問題への対処を交渉の場で話し合ってきたことだ」と言明。労使双方が当初の立場から譲歩してきた経過を振り返りながら、今後の雇用の確保など残された諸問題についても合意に達することは可能だと語りました。(菅原啓)
■関連キーワード