2008年12月11日(木)「しんぶん赤旗」
公立病院の危機 国の責任で救え
社会保障費削減で赤字倍
山下議員が首相に迫る
参院予算委
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日本共産党の山下芳生議員は十日、参院予算委員会で質問に立ち、全国各地で公立病院の休止や閉鎖が相次ぎ「子どもに何かあったら」と住民から悲痛な声が上がっている問題について、「国の政治が招いた結果だ」と麻生太郎首相の責任を追及しました。
九月三十日に千葉県の銚子市立総合病院が休止に追い込まれ、先月二十八日には大阪府松原市の市立松原病院が来年三月末で閉鎖になると発表されています。
山下氏は「これらは特殊な例ではない」と、二〇〇三年から五年間で二倍化した全国の公立病院の赤字額を示しました。
公立病院の危機の原因は、総務省の検討会でも(1)医師不足の深刻化(2)診療報酬の引き下げ(3)地方財政の悪化―の三つだと指摘しています。山下議員は、危機の大本には、医師養成数を減らしたり、社会保障費の自然増分を毎年二千二百億円抑制し、地方交付税を五兆一千億円も削減してきた小泉内閣以来の政治があると述べ、麻生首相の認識をただしました。
麻生首相は三つの原因があることを認めた上で、「公立病院に対する地方財政措置の充実を考える」と答弁しました。山下氏は「(公立病院への財政措置を決めた政府の)検討会の報告が出た直後に市立松原病院の閉鎖が発表された。政府の対策では救われない。特に中小都市にある病院への対策が抜けているということだ」と批判しました。
山下議員は、銚子市立総合病院存続のために住民から一千万円を超す寄付が集まったことなどを紹介し、「住民は涙ぐましい努力をしている。公立病院がなくなったら安心して住めなくなるからだ」と強調。国の政治がつくった公立病院の危機の原因は「政治の責任で取り除かなければならない」と述べ、社会保障費・地方交付税削減の中止を強く求めました。
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