2008年12月11日(木)「しんぶん赤旗」

中学生以下に短期証交付

「無保険」対策 改正案を可決

取り上げ義務化やめよ 高橋議員が質問

衆院厚労委


写真

(写真)質問する高橋ちづ子議員=10日、衆院厚生労働委

 国民健康保険の保険料の滞納による資格証明書発行世帯のうち、中学生以下の子どもがいる世帯には一律に六カ月の短期保険証を交付する国保法改正案が十日、衆院厚生労働委員会で、全会一致で可決されました。

 日本共産党の高橋ちづ子議員は、法案採決に先立つ質問で、「与党も含めて子どもの無保険状態を救う方向にまとまりつつある」と法案を評価しました。同時に、子どもに限らず、保険料を払いたくても払えない滞納世帯からの国保証の取り上げそのものをやめるよう強調。全日本民医連の調査でも昨年三十一人が、保険証がないなどの理由で死亡、NHKの番組アンケートでは、四百七十五人の手遅れ死亡があったなど深刻な事態があるとして、「(資格証が発行されている)三十三万世帯すべてが、担税力がありながら保険料を払わない悪質な滞納者なのか」と述べ、実態に即した調査を求めました。

 舛添要一厚労相は、「すべて悪質とはいっていない」と述べ、個々のケースに即した対応を約束。高橋氏は「悪質ではないなら、子ども以外も事情のある方すべてを救済する仕組みをつくらなければいけない」と述べ、国保証の取り上げの“義務化”をなくすよう強く求めました。

 国保法は一九九七年に改悪され、一年以上の国保料滞納者には、原則として資格証を発行することが市町村に義務づけられました。このため、国保料が高すぎて払えない低所得者に対する保険証の機械的な取り上げが横行しています。

 日本共産党は、保険証の取り上げのもっとも深刻な矛盾として「子どもの無保険」問題を国会で追及。国会質問と草の根の運動によって、厚労省は異例の緊急調査を実施。「無保険」の子どもが三万三千人にのぼることが判明(十月三十日)し、子どもの救済を求める世論が高まっていました。



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