2008年12月11日(木)「しんぶん赤旗」
米労働者 解雇に抗議
工場に座り込み
シカゴ
米中西部イリノイ州シカゴで、突然の解雇・工場閉鎖に反対し、労働者が工場内で座り込み、操業の再開を求めてたたかっています。マスコミも注目し、地元出身のオバマ米次期大統領も労働者を支持しています。
問題の工場を所有するのは地元の窓・扉製造会社リパブリック。座り込んでいるのは米電気無線機械統一労組(UE)第一一一〇支部に加盟する二百六十人の労働者です。
同社は、取引銀行のバンク・オブ・アメリカが同社への融資を停止したとして、五日に労働者を解雇し、工場を閉鎖しました。労働者への通告はわずか三日前。組合員は五日の夕方から工場につめかけ、座り込みを続けています。
労組は工場の再開を要求。それが受け入れられない場合でも、法令に従って解雇予告手当を支払うよう求めています。同社と同銀行、労組の代表は八、九の両日に会談し、労組によると交渉は前進があるものの、継続となっています。
バンク・オブ・アメリカは成立したばかりの金融支援法にもとづいて、二百五十億ドルの公的支援を受けています。労組は「銀行は救済され、われわれは投げ出されるのか」と批判しています。
座り込みを続ける労働者の一人、ラウル・フロレスさん(25)は、地元紙シカゴ・トリビューンに対し「私は恐れない。一人ではないからだ」と決意を述べています。
工場には連日、地元選出の連邦議員らが激励。オバマ次期大統領は七日、シカゴ市内での会見で「彼ら(労組)は全面的に正しいと思う。彼らに起こっていることは、わが国経済で起こっていることを反映している」と労働者に支持を表明しました。
UEは米国の二つのナショナルセンターのいずれにも加わらず、民主的な組合運営の方針を掲げる労組。リパブリックの工場労働者は四年前にUEに加盟しました。組合員の70%が中南米からの移民労働者です。(山崎伸治)
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