2008年12月12日(金)「しんぶん赤旗」
統幕学校の「歴史観」教育
「廃止含め検討する」
井上議員の追及に防衛相
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浜田靖一防衛相は十一日の参院外交防衛委員会で、田母神俊雄・前航空幕僚長が新設した統合幕僚学校の「歴史観・国家観」の講義について、廃止を含めて見直しを検討する考えを明らかにしました。日本共産党の井上哲士議員に答えました。
井上氏は、同講義について、田母神氏が統合幕僚学校長時代に“自衛隊が海外に出る時代に戦前の旧日本軍が間違いを犯したと思っていては隊員の士気があがらない”との考えからつくったものだと指摘。講義を廃止するよう求めました。浜田防衛相は「そういった選択肢を含めて検討させていただきたい」と答えました。
井上氏はまた、田母神氏が航空自衛隊連合幹部会機関誌『翼』で、統合幕僚学校長だった二〇〇四年六月に中国を訪問し、中国軍幹部に「日本軍が中国に対し悪いことをしたとは思っていない」と述べたことを誇らしげに書いていると指摘。重大な外交問題になりかねない発言であり、政府は当時、どういう報告を受け、対応したのかとただしました。
橋本聖子外務副大臣は、公電で、田母神氏が「中国側の歴史認識には同意できない部分がある」と述べたとの報告があったことを認めました。しかし浜田防衛相は「防衛省としてどのような対応をしたか記録は残されていない」と答えました。
井上氏は、公電を受け取りながら、「(田母神氏の発言は)見逃されたということだ」と述べ、「そのまま空幕長に任命したという政治の責任は重大だ」と批判。浜田防衛相は「見落としたところは考えをしっかりしなければいけない」と答えました。
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