2008年12月17日(水)「しんぶん赤旗」

解雇労働者に就労支援

EUがイタリアの6000人対象に


 欧州連合(EU)は十五日までに、グローバリゼーションのなかで失職したイタリアの繊維労働者約六千人に対し、欧州グローバリゼーション調整基金(EGF)から総額三千五百十六万ユーロ(約四十二億九千万円)の支援を行うことを決定しました。

 EUの執行機関、欧州委員会はことし九月、イタリア政府からの申請を受け、支援金交付を決定、欧州議会、欧州理事会との協議を行ってきました。

 支援の対象は、イタリアのサルデーニャ州の五企業千四十四人、ピエモンテ州の二百二企業千五百三十七人、ロンバルディア州の百九十企業千八百十六人、トスカーナ州の四百六十一企業千五百五十八人。イタリアの繊維産業は、コストが低いEU域外への生産拠点の移動、安い繊維製品の輸入の増加などで打撃を受けてきました。

 EUからの支援金は、イタリア政府の解雇者支援計画に基づいて、労働者の再就職支援、職業訓練、求職・転居のための手当、起業の促進、失職者を雇用した企業への助成などに活用されます。EGFは、これまでフランス、ポルトガル、スペインの自動車産業、ドイツ、フィンランドの携帯電話部門、マルタ、リトアニア、イタリアの繊維部門など十二回にわたって適用。総額六千七百六十五万ユーロが交付されてきました。


 欧州グローバル調整基金(EGF) 欧州連合(EU)が二〇〇六年末に設立しました。各国政府はグローバリゼーションの影響で、企業、地域、産業部門などで一千人を超える大規模な労働者解雇が行われた場合、労働者支援計画を作成し、EUに申請します。欧州委員会は計画を審査、欧州議会と欧州理事会の承認を得て、事業費の50%を交付します。EU予算に年間五億ユーロが割り当てられています。



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