2008年12月18日(木)「しんぶん赤旗」
キヤノン非正規切り
臨時採用、住居確保も
大分市など解雇者支援
大分キヤノン、大分キヤノンマテリアルが千二百人規模で非正規労働者を解雇した問題で、所在する自治体が臨時職員への採用、住宅の確保など解雇者支援の動きを強めています。
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大分市は、臨時職員の採用にあたって四十数人規模の優先採用枠を設けました。人事課担当者は、「雇用を打ち切られた(労働者の)生活を側面から支援できれば」と話します。
募集はゴミ収集補助業務などの作業や一般事務。日給は作業で六千九百十円、一般事務で六千三百円。「月十二―十三万円程度になる」(担当者)としています。申し込みは来年一月十六日まで。年末年始一週間程度のアルバイトも十人ほどを採用する予定です。
同市は十一日に解雇で寮を追い出された人たちの支援策として、市営住宅の空き室などを三―六カ月程度、緊急避難措置として貸し出すと決めていました。
このほか、失業者に農業のパート労働を紹介する取り組みも始め、JAおおいた大分市地域本部が窓口となって五十―六十人程度を雇用するとしています。
日本共産党の大久保八太市議団長は、「大分市は対応がはやいという一定の評価はできる」と話します。他方、大分キヤノンは莫大(ばくだい)な補助金を投入され誘致された企業。大久保市議は、「県と市で百億円の立地奨励金などがつぎ込まれ、そのうち市は二十億円。ほかにもインフラ整備などで十二億円も出している。市は、キヤノンに対し(雇用を)お願いするのではなく、もっと厳しい姿勢でのぞむべきだ」としています。
大分キヤノンマテリアルをかかえる杵築(きつき)市でも十六日から、失業者を対象にした臨時職員募集を始めています。各課一―二人程度採用する方向で調整。期間は一人最長一カ月。交代で来年三月まで雇用する方針です。
また、大分キヤノンの本社がある国東(くにさき)市も「緊急雇用等対策本部」を設置し、住居の確保や雇用の促進や創出に向け、検討を開始しました。
市商工観光課は「(解雇者が)年を越せないという話もでている。住居の確保など、市としてできることがあるのではないか」としています。
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