2008年12月22日(月)「しんぶん赤旗」
英軍など駐留を否決
閣議決定の法案覆す
イラク議会
【カイロ=松本眞志】イラク連邦議会は二十日、英国をはじめとする米国以外の多国籍軍の駐留を認める法案を否決しました。ロイター電が報じました。
法案は、英国、オーストラリア、ルーマニア、エストニア、エルサルバドル、北大西洋条約機構(NATO)の部隊を対象に、〇九年七月末までの駐留を認めています。十六日にイラク政府が閣議決定しました。
イラク合意戦線(スンニ派)のファルジ連邦議会議員は多国籍軍の駐留延長を認める問題について、イラク側の一方的な法律で規定できないと主張。「国際法に従って、協定や条約によって取り決める必要がある」と議会による否決の理由を説明し、政府の措置を「誤りだ」と指摘しました。イスラム教シーア派サドル師派のアルイサウィ議員も、議会決定が国民の合意に従ったものだとして法案否決を歓迎しました。
英国のブラウン首相が十七日にイラクを訪問した際、マリキ政権は、英軍が〇九年七月末まで駐留できると発表しました。一方、アラブ首長国連邦(UAE)紙アルハリージによると、マリキ氏が所属するダアワ党幹部の一人は、政府のとった措置を非難し、「英軍駐留の必要を認めない」と語っています。
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