2008年12月25日(木)「しんぶん赤旗」

時間外手当

不払い一括和解

米小売り大手ウォルマート 320億円支払い

対象は数十万人


 【ワシントン=西村央】時間外手当の不払いなど不当な働かせ方が問題になり、全米各地で損害賠償訴訟の対象となっていた米小売り大手ウォルマートが二十三日、すべての訴訟で一括和解し、少なくとも三億五千二百万ドル(約三百二十億円)を支払うと発表しました。支払金額は個々の損害額の認定で変動し、最大では六億四千万ドル(五百八十億円)になる可能性もあります。ニューヨーク・タイムズ電子版など米紙が報じました。


 和解したのは四十二の州での六十三件の訴訟。今回の和解で、救済の対象となるのは現、元の従業員合わせて数十万人とみられています。同社は米国内だけでも、約百三十万人余の従業員を抱えていますが、労働組合の結成を認めていません。

 ウォルマートをめぐっては全米各地から、時間外手当の不払いのほか、食事時間を与えない、休息時間にも労働を余儀なくされるなどの訴えが続出。州法にも違反しているなどとしての訴訟の動きが広がりました。

 今月九日には、休息時間が与えられなかったり、時間外手当の不払いで起こされていたミネソタ州での損害賠償訴訟で、十万人に対して五千四百二十五万ドルを支払うことで和解が成立。そして今回すべての訴訟での和解となりました。

 ニューヨーク・タイムズによると、労働者を支援してきたウォルマート・ウオッチのデビッド・ナサル氏は、和解に応じた会社側の対応について「オバマ次期政権のもとでどういうことに直面するのか、おびえているのではないか」と語っています。



■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp