2008年12月27日(土)「しんぶん赤旗」
非正規切り8万5000人
前月比2.8倍 違法解雇が横行
輸出大企業を先頭に横行する「派遣切り」など非正規労働者の解雇・雇い止めで、来年三月までに職を失う非正規労働者が八万五千十二人に達することが分かりました。厚生労働省が二十六日、企業からの聞き取り調査の結果を発表しました。十一月の前回調査の約三万人から一カ月で二・八倍に増加しました。
産業別では製造業が八万千二百四十人で96%と大部分を占め、県別では愛知県が一万五百九人と最多。自動車・電機など大企業の雇用責任が問われます。
雇用形態別では、派遣労働者が五万七千三百人と大半です。このうち、中途解除が二万九千四百五十一人と過半数であり、依然として違法解雇が横行し、増加しています。
次いで、期間工などが一万五千七百三十七人、請負が七千九百三十八人となっています。請負の中途解除も四千七百三十八人と六割を占めています。
再就職の状況が確認できた一万七千百七十一人のうち、88・2%に当たる一万五千百四十五人は、再就職先がありませんでした。非正規労働者を使い捨てにしている実態をあらためて示しています。
調査全体では、厚労省が「全ての事例を把握していない」というように不十分なものであり、実際には、さらに大きな規模での解雇が予想されます。
内定取り消し769人
企業から採用内定を取り消された来春の新卒者が全国で七百六十九人にのぼることが、厚労省が二十六日に発表した調査で分かりました。全国のハローワークが確認した情報を集計したもの。
それによると、内定を取り消した企業は百七十二社。大学生で六百三十二人、高校生で百三十七人が内定を失いました。内定を取り消された人数は、十一月の前回調査時の三百三十一件から倍増しています。
産業別では、不動産業が百九十七人、次いで製造業が百八十七人となっています。規模別では、三百人以上の企業が最多の二十七社、三百九人となっており、大企業の雇用責任があらためて問われます。
厚労省は、合理的理由のない内定取り消しは無効だとして、企業名の公表などを行うとしています。しかし、実際には、内定取り消しが広がっており、強力な指導が必要です。
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