2008年12月27日(土)「しんぶん赤旗」

任命責任には触れず

防衛省 「田母神問題」で再発防止策


 防衛省は二十五日、田母神俊雄前航空幕僚長が過去の日本の侵略戦争について政府見解と異なる「論文」を発表した問題について、再発防止策に関する文書をまとめ、有識者による防衛省改革会議で報告しました。

 再発防止策として、高級幹部昇任時に文民統制について研修することや、自衛隊員の「幅広い自己研さん」のための支援などをあげていますが、具体的方策については明らかにはしていません。

 同文書では、高級幹部の任命について、「より一層適切な選考を実施していく」としていますが、自衛官が守るべき憲法尊重擁護義務に反する主張をした田母神氏を空幕長にした任命責任については触れていません。

 また、田母神前空幕長が職務権限として全国の基地で「論文」同様の主張を講話・訓話で繰り返し、その主張が自衛隊内にどれくらい浸透しているのかについては言及していません。

 田母神前空幕長が統合幕僚学校長在任中に新設し、講師に「新しい歴史教科書をつくる会」の幹部が入っていた課目、「歴史観・国家観」については、「見直しを行う」としています。日本共産党の井上哲士参院議員は、国会質問のなかで同課目について廃止を含めた見直しを求めていました。



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