2008年12月28日(日)「しんぶん赤旗」

事故小麦の「非食用」流通

必要な届け出指導

厚労省


 小麦の輸入(国家輸入)で食品衛生法上必要な手続き(届け出)を怠り事故小麦が飼料など「非食用」として国内に流通していた問題で、厚生労働省は二十七日までに、全国の検疫所に必要な届け出を出させるよう指導する通知を出しました。この問題は、日本共産党の紙智子参院議員が九日の参院農水委員会でとりあげ明らかになったもので、同省が届け出の周知徹底を約束していました。

 厚生労働省によると、二〇〇三年度から今年度まで、米国やオーストラリアなどから輸入した小麦の事故品十二件(農水省報告)のすべてで、食品衛生法施行規則で定められた検疫所への届け出が行われていませんでした。

 事故品は、異臭、水ぬれ、オイルぬれ、熱損などによって、「食用不適」とされたもの。

 三井物産などの輸入業者が報告しなかったケースが五件。このなかには、輸入者代理人が検疫所に提出したかどうかの「事実関係は不明」(書類なし)というずさんな実態もありました。

 連絡を受けながら検疫所が「報告不要」などとして事故発生届を提出させなかった不適切なケースは七件ありました。

 このうち異臭(油ぬれ)の事故小麦一件(約三千トン)は、飼料用のほか肥料・工業用のものや焼却処分まで行わなければならないものでした。

 いずれも初回の届け出だけで何度もくり返し輸入できる「計画輸入制度」のもとで発生したものです。食品衛生法違反の食品が、ノーチェックで国内に流通していたことになります。



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