2009年1月8日(木)「しんぶん赤旗」
雇用確保決議を採択
参院本会議 全会一致 企業・政府に要求
参院本会議は七日、企業による解雇・「派遣切り」が急増している事態を踏まえ、企業と政府に対して、雇用の維持・確保に全力で取り組むことなどを求める「雇用と住居など国民生活の安定を確保する緊急決議」を、全会一致で採択しました。
企業による解雇・「派遣切り」で、仕事と住まいを奪われ、「年越し派遣村」に集まった労働者をはじめとする国民世論が、国会と政治を動かした大きな一歩です。参院事務局によると、雇用に関する決議が参院本会議で採択されたのは五回目で、一九八六年十二月以来、二十二年ぶりです。
同決議は、企業に安易な解雇や内定取り消しにはしることなく雇用維持・確保に取り組むよう要求。離職者の住居の確保、円滑な再就職、職業訓練の実施などの支援や、生活保護制度などの活用に全力で取り組むことなどを政府に求めています。
雇用確保決議については、四日に「年越し派遣村」で開かれた集会で、日本共産党など野党が国会決議をあげることで合意。野党は六日に決議案を衆参両院に共同提出しました。
日本共産党は「この決議は与党も当然賛同できるはず。全会派の賛同で決議の実現を」と呼びかけていました。七日の参院議院運営委員会で、野党案に自民・公明両党が示した対案の内容を取り込み一本化しました。
雇用と住居など国民生活の安定を確保する緊急決議
全文
七日、参院本会議で全会一致で採択した「雇用と住居など国民生活の安定を確保する緊急決議」の全文は次の通り。
現在、世界の金融市場は百年に一度とも言われている危機に陥っている。とりわけ非正規雇用者を中心に失業者が急増しつつあり、国民の雇用不安が広がっている。今後、正規雇用者を含む大量失業者の発生が憂慮される。
政府は、このような事態に鑑(かんが)み、離職者の住居など生活の安定の確保、円滑な再就職、職業訓練の実施など必要な支援を機動的に行うとともに、生活保護制度等の活用について緊急に全力で取り組むべきである。
企業は安易な解雇や内定取り消しにはしる事なく、雇用の維持、確保に全力で取り組み、政府は、企業に対し雇用維持のための十分な支援を行うべきである。
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