2009年1月9日(金)「しんぶん赤旗」
派遣法抜本改正と「派遣切り防止」緊急措置
“車の両輪”で実現を
志位委員長が会見
日本共産党の志位和夫委員長は八日、国会内で記者会見し、政府の一部や民主党から出ている製造業における労働者派遣の禁止を検討する動きに関連して、(1)一九九九年の派遣労働の原則自由化以前に戻す労働者派遣法の抜本的改正(2)企業による「派遣切り」や「期間工切り」を防止する緊急の規制措置―の二つを「同時並行で、“車の両輪”でやっていくことが必要だ」と述べました。
志位氏は、製造業での派遣禁止の議論が出てきたことは、「国民の強い世論と労働者のたたかいが動かした前向きの変化だ」と語りました。
そのうえで志位氏は、労働者派遣問題の一番の転換点は、それまで専門的な業務に限られていたものが、九九年に原則自由化されたことだったと指摘。「いまの『使い捨て労働』のまん延という事態はここから始まった。抜本改正というならば、九九年の原則自由化前に戻すことが必要だ。それが二度と『派遣切り』のような『政治災害』を繰り返さないうえでも大きな柱だ。その点での協力・共同を追求したい」と述べました。
志位氏は「同時に、いま進められている『非正規切り』をやめさせなければならない。とくに、私たちが強く危惧(きぐ)しているのは、三月末に契約期間が切れた派遣労働者・期間労働者がさらに大規模に巷(ちまた)に放り出される事態だ」と発言。「現に派遣などで働いている人たちへの『派遣切り・期間工切り』を防止する実効ある特別の措置をとることを、抜本的法改正とあわせて、並行して行うことが重要だ」と強調しました。
経団連の「ワークシェアリング」論の二つの問題点
志位氏は、日本経団連の御手洗冨士夫会長が雇用対策として「ワークシェアリングも一つの選択肢」と発言したことについて、二つの問題点があると指摘しました。
志位氏は「第一に、そういうことを言う前に、まず『派遣切り』『期間工切り』計画を撤回すべきだ」と批判しました。
さらに志位氏は「第二に、非正規労働者の雇用を守ることを名目にして、労働者全体を賃下げし、大企業は雇用を守るための身銭をいっさい払わないということではないか」と指摘。大企業が二百三十兆円も内部留保をため込んでいることを挙げ、「雇用を守るために、大企業は、自分たちがため込んだ内部留保を使うべきだ。ワークシェアリングの名のもとに、『賃下げを我慢しろ』と大企業が労働者に言うのは筋が通らない」と述べました。
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