2009年1月10日(土)「しんぶん赤旗」
「非正規切り」は日本経済も脅かす
内部留保 雇用に使え
首相、大企業側へ要請表明
衆院予算委 笠井議員質問
日本共産党の笠井亮議員は九日の衆院予算委員会で、「年越し派遣村」(東京・日比谷公園)に集まった人たちへの支援とともに、これ以上の「非正規切り」を許さない緊急措置と、日本経済の前途のためにも大企業の内部留保活用などで雇用を確保することを強く求めました。非情な「派遣切り」の実態を示した笠井氏の質問に、委員会室は静まり返り、自民党議員からも「いい質問だ」「それが大事だ」という声が上がりました。
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大企業による大量解雇について、笠井氏は「個々の企業にとり、瞬間的に財政状況をよくするかもしれないが、一斉に行われると消費が落ち込み、日本経済の前途を危うくする。企業の存立・発展を脅かす自殺行為ではないか」と指摘しました。麻生太郎首相は「個々の企業にとってコスト削減が正しくても、全体でやるといいことにはならない。おっしゃる通りだ」と答えました。
笠井氏は、一九九九年から二〇〇七年までに、派遣労働者が百七万人から三百八十四万人に激増している一方で、大企業が内部留保を六十兆円も増やしていることをパネル(グラフ)で提示。「内部留保は、派遣労働者らの血と汗と涙でため込んだものだ。そのわずか0・2%を回せば、(三月までに解雇される)八万五千人の正社員化も可能だ。内部留保を活用して雇用確保に努めるよう企業に働きかけるべきだ」と追及しました。
首相は「内部留保の扱いについては(活用するよう)重ねて言わないといけない」と述べ、企業側に要請する考えを表明しました。河村建夫官房長官も「積極的に経営者団体等を通じて要請を強くしていく」と明言しました。
また笠井氏は、約五百人の派遣・期間従業員を解雇した「三菱ふそうトラック・バス」の例を取り上げました。契約途中で解雇された男性の声を突き付けた笠井氏は「こういう理不尽なことはただちにやめさせよ」と迫りました。
笠井氏は「解雇を許さない緊急措置とあわせて、労働者派遣法の抜本改正が必要だ」と強調しました。
「派遣村」最後まで救済を
十二日までの期限で都内の四施設に一時的に移転している「派遣村」の労働者について、笠井氏は「期限が来たからといって、放り出し路頭に迷わしてはならない」と迫りました。
舛添要一厚生労働相は「最大限全員が住居を確保し、就職できるようやっていく」と答えました。
また笠井氏が、全国で解雇された人たちを国が責任をもって救済するよう求めたのに対し、麻生首相は「これまでにないような対応を考える」と表明しました。
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