2009年1月10日(土)「しんぶん赤旗」

輸入米

カビ状異物 さらに20件

農水省公表昨年12月分 すでに7万トン販売


 農水省は九日、政府の倉庫に保管している加工食品用の輸入米(ミニマムアクセス米の一種)から、昨年十二月、「カビ状の異物」を新たに二十件発見したことを公表しました。この結果、これまでの公表分を含めると、同月だけで合計三十件発見されたことになります。(表参照)

 同省は、この異物をアフラトキシンなどのカビ毒の検査に回す一方、この異物と同一の船で輸入した同一の産地・種類の輸入米は、安全が確認されるまで「移動を凍結(販売を中止)」するとしています。

 しかし、加工食品(みそ・焼酎・せんべい・菓子など)用として、国内業者にすでに販売した輸入米については、業者に注意するよう「要請」するだけです。このため、「カビ状の異物」やカビ毒の発生が判明しない段階で業者に販売・引き渡された輸入米の一部が、消費者の口に入ってしまった可能性は否定できません。

 昨年十二月発見の三十件を分析すると、輸入量の合計は十七万五千十四トン。政府の倉庫にまだ保管されているもの(政府保有量)が九万九千三十一トン。輸入量と政府保有量との差七万五千九百八十三トンがすでに国内業者に販売されたものです。

 また、この三十件を産地別にみると、米国産が十六件と第一位で過半数を占め、次いでタイ産十一件、ベトナム産三件の順になっています。

 昨年十月に「カビ状の異物」が発見されたタイ産米からは、猛毒のアフラトキシンが検出されたばかりです。

図

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