2009年1月11日(日)「しんぶん赤旗」
選挙目的で給付金迷走
TBS番組小池氏指摘 天下り禁止法を
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日本共産党の小池晃政策委員長は十日、TBS系テレビ番組「サタデーずばッと」に出演し、「定額給付金」での政府の迷走ぶりや大量解雇が続く派遣労働問題を各党の出席者と討論しました。
番組では、総額二兆円規模の「定額給付金」をめぐる麻生首相の発言の迷走ぶりが話題に。司会の、みのもんた氏は、給付金の事務費が莫大(ばくだい)な額であることを指摘し「八百何十億円をかけてやるべきか」と語り、小池氏に意見を求めました。
小池氏は「選挙対策で始めたものに、後から理由付けをするから、混乱している」と指摘。麻生首相が高額所得者が受け取るのは「さもしい」と発言したことについて、政府内の「受け取る、受け取らない」という議論こそ「さもしい」ものだと述べ、「まじめに国政を考えて出てきた議論でないことがはっきりした」と語りました。
官僚出身者が多額の退職金を受け取る「天下り」問題では、みの氏は紙芝居をつかって「天下り」を繰り返す「渡り」の仕組みを解説。昨年末に政府が政令として「渡り」を認める閣議決定をしたことについて、公明党の高木陽介衆院議員は「政令ですから、法律で決めたわけではない。撤回したほうがいいんじゃないですか」と表明。自民党の平沢勝栄衆院議員は「霞が関の役人の押し返しがあった」と言い訳しました。
小池氏は「これは閣議決定し、公明党の大臣だって決定に携わっている」と指摘。「天下り」問題では「絶対に抜け道をつくってはならない。禁止の法律がないから、こういうことになった」と述べ、「天下り」禁止の法制定の必要性を強調しました。
最後に、「年越し派遣村」に集まった元派遣労働者が直面している困難と、経団連の御手洗会長が最近言及した「ワークシェアリング」が議論になりました。
小池氏は、「年越し派遣村」を二日間にわたり激励したことにふれつつ、派遣労働が広がった原因には、労働者派遣法の規制緩和(一九九九年、〇三年)があったことを指摘。「(経団連会長の)御手洗さんは胸張ってワークシェアリングといっているが、胸を張る前に(「派遣切り」を進める)自分の胸に手をあてて考えなければならない」と述べ、「派遣切り」を止めるのが先決だと批判しました。
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