2009年1月12日(月)「しんぶん赤旗」
大企業 内部留保使い雇用の確保を
派遣法抜本改正で、使い捨て労働なくせ
民放番組 市田書記局長が主張
日本共産党の市田忠義書記局長は十一日、フジテレビ系番組「新報道2001」、テレビ朝日系番組「サンデープロジェクト」に相次いで出演し、深刻な雇用危機への対策について各党幹事長と討論しました。(詳報)
市田氏は、「派遣切り」を行っている大企業の製造業だけでもこの四年間で十八兆円も内部留保が増えて百二十・七兆円になり、純利益の四年間の累計が三十五兆円、株主配当はそのうち二十一兆円にのぼっていることをあげ、「体力は十分にある」と指摘。大企業が社会的責任を果たすよう強調しました。
また、「(大企業は)本来、正社員として雇うべき人を、安上がりのものにして、ごまかして使ってきた」と指摘し、派遣先に「雇い止め」をやらせないための立法措置を主張。派遣会社の寮を追い出された人の住宅と生活、再就職を保障する緊急措置を講じるよう提案しました。
市田氏は、製造業で働いている労働者の絶対数は二〇〇二年と現在でほとんど変わらないのに、正社員が減って非正規が増えるなど、派遣・請負が常用雇用の代替として扱われている実態を告発。「人件費削減をやりたい(企業の要望に応じる)ために一九九九年に派遣労働を原則自由化し、使い捨て労働をまん延させた」として労働者派遣法を一九九九年前に戻すなど抜本的改正を呼びかけました。
民主党の鳩山由紀夫幹事長は、経過期間をもうけて製造業への派遣を禁止することを主張。公明党の北側一雄幹事長が「(製造業派遣を禁止したら)現に働いている人の雇用に逆に悪い影響を与える」などと発言したことに対して、市田氏は「雇用を守ることは内需を回復させる上でも大事だ」と強調しました。
また、日本経団連の御手洗冨士夫会長が「ワークシェアリング」を主張していることについて、市田氏は「自分の腹を痛めないで、賃金を減らすための言い分として用いられている」と批判しました。
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